白人パウエル、クロード・ウィリアムソン

今週は、クロード・ウィリアムソンの『ラウンド・ミッドナイト』(ベツレヘム、1956年録音)です。ピアノトリオを楽しむ見本のような佳作です。

ウィリアムソン(1926年〜)は、よく「白人パウエル」「西海岸のパウエル」などと呼ばれました。バド・パウエルに心酔し、そのコピーもしていたので無理はないと思いますが、独特の味のあるピアニストです。このアルバムもバラッドからアップテンポまで宝石箱のような盤に仕上がっています。

パウエルと同じように左手の力強いブロックコードとリリカルな右手。私は、1音1音がくっきりとゴシック調なのがウィリアムソンの特徴だと思います。
誰もが安心して聴けるジャズアルバムです。だからといってイージーリスニング的なものではありません。ベースのレッド・ミッチェル、ドラムスのメル・ルイス、ともに手だれです。

曲は、短いので2曲は紹介出来るでしょう。B面の「サヴォイでストンプ」がミッチェルとの絡みでおもしろいですが、お好きなのをどうぞ。 

ウィリアムソンはこのあと、ジャズ界から遠ざかってしまい、77年代突然カムバックします。しかし、近作は、日本仕立ての企画ものが多く、あまり聞く気はしません。

(2011年3月15日)